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アイヌ語カレンダー

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月の呼び方は各地域により違いがあります。

ここでは地域ごとにまとめた12ヵ月の呼び方の紹介をしています。

また、地域ごとの呼び方表記になったカレンダーデータをダウンロードすることができます。

アイヌ民族文化財団で発行している『いしかりがわのアイヌ』『からふとのアイヌご』『くしろ・しらぬかのアイヌご』『さるのアイヌご』『しずないのアイヌご』『ちとせのアイヌご』『とかちのアイヌご』『びほろのアイヌご』『ほろべつのアイヌご』の入門編にも同じ内容が記載されています。

カレンダーに使われている各方言のアイヌ語の月名は、1994年に当時の北海道ウタリ協会(現在の北海道アイヌ協会)が発行したアイヌ語テキスト『アコㇿ イタㇰ』の表記に準じました。

地域:石狩川

石狩川方言の月名は、『昭和56年度 アイヌ民俗文化財調査報告書(アイヌ民俗調査Ⅰ 旭川地方)』(北海道教育委員会、1982年)を参考にしました。なお、各日本語訳と月名の別称は『旭川アイヌ語辞典』(アイヌ語研究所、2005年)を参考にしています。

アルファベット表記カタカナ表記意味
1月inomicupイノミチユプ祈る月、拝む月
2月taskurucupクルチユプ霜降る月
3月toetanneトエタンネ日長くなる
4月upasrurecupウパルレチユプ雪とかす月
5月muntukkacupムントゥッカチュㇷ゚草生やす月
6月toytacupトイタチユプ土掘る月
7月kunneyascupクンネヤユプ夜に流し網する月
8月kunnesuscupクンネスユプ夜に沐浴する月
9月 yascupユプ流し網する月
10月 komnirancupニランチユプ(?)
11月nitekrankecupニテランケチユプ木の枝下げる月
12月upasrankecupウパランケチユプ雪降らす月

参考資料:アイヌ民俗調査Ⅰ(青本) 、旭川アイヌ語辞典  

地域:十勝

十勝方言の月名は、吉田巌さんの「杖のみたま」(『民族学研究』19巻3/4号,1956年)から引用しました。現在とはアイヌ語の表記が違いますが、そのままの形で掲載しています。

アルファベット表記カタカナ表記意味
1月チウルプ
2月トイタンネ
3月ハプラプ
4月キウタチプ
5月シキウタチプ
6月モマウタチプ
7月シマウタチプ
8月モニヲラク
9月シニヲラク
10月ウレポク
11月シネアンチプ
12月クイカイ

参考資料:アイヌ民俗調査Ⅰ(青本) 、旭川アイヌ語辞典  

地域:静内

静内方言の月名は『平成6年度アイヌ無形民俗文化財記録刊行シリーズⅧ アイヌの暮らしと言葉4』(北海道教育委員会,1995年)の葛野辰次郎さんの言葉から引用しました。ただし、日本語訳は同書の内容を要約してつけたものです。これは旧暦に基づいた月名です。

アルファベット表記カタカナ表記意味
1月inomicup(turup)イノミツ(ト神に祈る月(急流も凍る月)
2月toetanneトエタンネ日が長くなる
3月mokiwtaモキウタ
4月sikiwtaシキウタ
5月momawtaモマウタ
6月simawtaシマウタハマナスの実をとる月
7月moniyorakモニヨラ木の葉が枯れる月
8月siniyorakシニヨラすっかり葉がかれる月
9月haprap葉が落ちる
10月urepokウレポ鮭漁に出て足の裏に砂がつく
11月sunancupスナンチユプ松明の明りで鮭をとる月
12月 kuekayクエカイ仕掛け弓が凍って折れる

参考資料:「アイヌのくらしと言葉4」葛野辰次郎 

地域:沙流

沙流方言の月名は、田村すず子さんの『アイヌ語沙流方言辞典』を参考にしています。これは旧暦に基づいた月名です。

アルファベット表記カタカナ表記意味
1月towetanneトウタンネ1月日が長くなる
2月kuwekayクウカイ雪で仕掛け弓に使う台が壊れる
3月kiwtacupキウタチユプユキザサ
4月mocupモチユプ達者で静かに暮らしているから
5月sincicupシンチチユプこれからあたたかくなる
6月mawtacupマウタチユプハマナスを植える月
7月mawcicupマウチチユプハマナスが熟す月
8月haprap木の葉が落ちそうにたれさがる月
9月 nihorakニホラ草や木の葉が落ちる月
10月 urepokウレポ足の裏で霜柱がパラパラ鳴るから
11月ruwekaricupルウカリチユプ鹿を追って先回りする月
12月curup雪煙が立つ月

参考資料:「アイヌ語沙流方言辞典」田村すず子

地域:白老

白老方言の月名は、山本祐弘さんの『樺太アイヌ・住居と民具』(相模書房,1970年)から引用しました。

アルファベット表記カタカナ表記意味
1月towetanne日が永くなる月
2月haprap黒百合塊茎を掘る月
3月huekai弓による山狩の月
4月kiutaキユを掘る月
5月mo-kiuta小さいキユを掘る月
6月siuči čup
7月muči čupハマナスの熟する月
8月sinihorak木の倒れる月(落葉月)
9月yarui網の盛んな月
10月urepok足裏の月(霜を踏む月)
11月sunani čup松明による川漁の月
12月turup

参考資料:「樺太アイヌ・住居と民具」山本祐弘

地域:多蘭泊

多蘭泊方言の月名は、山本祐弘さんの『樺太アイヌ・住居と民具』(相模書房,1970年)から引用しました。ただし日本語訳は分かりやすく変えたところがあります。なお、čuはチュ、xは小さいハ、ヒ、フ、ヘ、ホに近い音だと考えられます。

アルファベット表記カタカナ表記意味
1月toetanne日が永くなる月
2月haxrax黒百合塊茎を掘る月
3月kiŭta姥百合塊茎を掘る月
4月arakoj nokaキウリ魚の姿を見る月
5月ihumpa čux山菜を刻む月
6月ima čux魚の焼干しを作る月
7月saxčexkara ču乾魚を作る月
8月ikara čux
9月urexkita čux足裏に霜を感ずる月
10月surani čux松明による川漁の月
11月nan čux寒冷な月
12月rū čux凍結する月

参考資料:「樺太アイヌ・住居と民具」山本祐弘